高次脳機能障害とは
《原因》
- 損傷部位がわかりやすい・・・比較的に症状が見えやすい。
脳血管障害:脳出血・脳梗塞 - びまん性軸索損傷‥‥脳神経細胞の断裂などで、症状が見えにくい
交通事故・スポーツ事故・転倒、転落、脳震盪 - 低酸素脳症(広い範囲の損傷)‥‥脳炎・気管支喘息・肺炎・溺水・熱中症など
- 抗NMAD受動体脳炎(卵巣の腫瘍が原因)
《症状》
脳に損傷を受けた結果、さまざまな症状が起こります。
脳外傷後に起きやすい衝動性や情緒不安定性、抑制が利かないこと、あるいは幼児的言動などは、人間関係の維持や社会への適応を拒む要因となります。
そしてそれらの後遺症≪高次脳機能障害≫は、 生活をしていく事や社会参加を拒む大きな要因になります。
いろいろな記憶の障害
人や物の名前を忘れてしまう
できごと(エピソード)を忘れてしまう
聞いたこと、見たことを忘れてしまう
昔のことを忘れてしまう
最近のことを忘れてしまう
行き先や場所を忘れてしまう
いろいろな注意の障害:半側空間無視・半盲・視野狭窄・失認・失行
物や人に気づかない(見えているのに気づかない)
物や人を探せない
一度にいくつかの注意を向けられない
気が散りやすい
いろいろなコミュニケーションの障害:失語症・構音障害・失書・失読・失行
うまく喋れない、口が動かない
言葉がでてこない、言葉を思い出せない
聞いても何を言われているか分からない
字が書けない
字が読めない
計画的行動ができない、集中力や意欲の低下:遂行機能障害
やる気がない、覇気がない
周りの人や物事に関心がない
いつも、ボーっとしている
感情・自己のコントロールの低下:社会的行動障害
周囲の状況に的確に対応できず誤りを修正できない
怒りっぽい
ささいなことで苛々する
ささいなことで笑う、泣く
我慢が出来ない
※このほかにも数限りなくあります。
《障害者福祉施策》
このような後遺症の結果、社会参加が困難となった方とその家族は、社会から孤立し生活への不安を高めるなど共通の悩みを抱えているのではないでしょうか。
現在、障害者支援は身体障害・知的障害・精神障害という3つに分けて 実施されています。
しかし、高次脳機能障害児・者の場合には、画一的な障害分類による施策は適切ではない場合も多く、どの分野からの支援も受けられない方もいます。
適切な障害者認定基準や、福祉的な支援システム、それにリハビリテーション援助技法が確立されていないために、高次脳機能障害児・者を取り巻く社会的な環境は社会の理解を含めて心細い状況にありますが、「高次脳機能障害支援法」の制定に向かって、全国大会などの動きもあり、前進しつつあります。
2024.5.17
神奈川県に要望書を提出しました。